第33回はにわ祭

2015年11月8日(日)に「第33回はにわ祭」が開催されました。
早朝から雨がパラパラと降っていましたが、お祭りは雨天決行です。
午前9時、最初のプラログラムである「降臨の儀」を見物するため、殿塚・姫塚古墳には大勢の人が傘を片手に集まっていました。

「降臨の儀」は古代人が現代の地へ降りたつ儀式。
芝山を開拓した私達の祖先とされる国造(くにのみやつこ)を筆頭に、巫女や戦士らが一同に介します。
古墳を取り囲むように生えた背の高い樹々が古代の雰囲気を醸し出す中、国造による宣託や、古代米を芝山町長に手渡す、巫女の舞などが披露されました。
2015-11-08-012015-11-08-02

そしてまた、今回は発掘当時の様子をタブレットで見る事のできる「AR殿姫」実証実験が行われました。
ARとは”Augmented Reality=拡張現実”の略称で、現実空間にCGや写真などを重ねて表示する技術。
実際に姫塚古墳の周辺にてタブレットを操作してみたところ、はにわ列が発掘された当時の写真をタブレットで見る事ができました。
(※はにわ列:古墳の周りにたて並べられたはにわの様子)
どうやら、あらかじめ殿塚・姫塚古墳に設置されたマーカーにタブレットをかざすと、写真と音声ガイダンスが再生される仕組み。
横穴式石室はどの辺りだったのか等もその場で確認でき、学びの可能性が広がったことを実感しました。
2015-11-08-032015-11-08-04

10時45分より芝山仁王尊にて「交歓の儀」が行われる予定でしたが、大雨のため、やむなく中止となりました。
交歓の儀では、仁王尊の僧侶による歓迎法要や巫女の舞、白枡粉屋踊などが披露されるプログラムでしたが、この悪天候では致し方ありません。
2015-11-08-tuika2015-11-08-tuika2

たとえプログラムが中止であっても、はにわ祭の見所は他にも沢山ありましたので、ひとつずつ紹介していきたいと思います。

まず、芝山古墳・はにわ博物館では古代チーズの試食、勾玉づくり、火おこし体験などのイベントを行いました。
古代のチーズは生乳を長時間煮詰めて作る古代の珍味で、正式名称を「酥(そ)」といいます。
見た目はしっとりしていてチーズケーキの様ですが、食べてみるとチーズというよりはキャラメルに近いほのかな甘みと酸味が味わえます。
少し焦がしたビター味も用意しましたが、こちらは大人向け。
食した皆さんからは「にがーい」「すっぱーい」「おいしい」など様々な感想をいただきました。
7世紀末の文武天皇の時には既に食されていたと伝わっていますので、日本の乳製品のはじまりはこの味だったようです。
2015-11-08-052015-11-08-06

そしてまた芝山中学校の生徒の皆さんが美術の時間に作成した「はにわの展示」も行いました。
はにわは本来、古墳を守るために作成されたと考えられていることから、「はにわで何を守る?」というテーマを元に作成されたそうです。
その問いかけに対し「自分を守る私のはにわ」「大事な家族を守る私のはにわ」「テニスを守る」「野球を守る」など、色々な思いをこめて作られた作品を展示しました。
グループで共同制作された大型の馬形埴輪は、鞍や馬具なども再現されていて、とても完成度が高い出来映えでした。
2015-11-08-07

博物館前に設置したテントの中では、恒例の火おこし体験を行いました。
何もない所から火をおこすコツは、火種が発火点に到達するまで摩擦を与え続けることです。
紐をひっぱるお手伝いをしていた子ども達から「あっ!けむりが出てる!」の声があがると、周りから大きな拍手が沸き起こりました。
2015-11-08-082015-11-08-09

博物館の駐車場では、ギネス大会やミニゲームが行われる予定でしたが、雨により一部中止になったものがあったそうです。
水資源機構さんのブースでは、北総大地の農業を支えている成田用水の事が理解できるクイズや、資源循環を目的とする水土里ネットの活動報告を見る事ができました。
植木組合さんのブースでは、寒い季節に嬉しい熱々の焼き芋が販売されていて、みなさん美味しそうに食べていました。
2015-11-08-102015-11-08-11

芝山公園芝生広場では、飴細工やソーセージ、焼きそば、ケバブなどの露天が立ち並んでいました。
航空科学博物館さんのブースでは飛行機のおもちゃやボーイングジャケット(レア!?)などが売られていました。
成田国際空港(株)さんのブースではコンポスト(堆肥)が無料配布されていました。
これはレストランなどから出る生ゴミにおがぐずと発酵菌を混ぜ、発酵させたものなのだそう。
全日空さんのブースではANA機内のビジネスクラスで実際に使用されているお皿やコップが販売されてました。
こちらも空の上でないと見られないアイテムだけに貴重な一品ですね。
2015-11-08-122015-11-08-13
2015-11-08-142015-11-08-15

芝山町商工会のブースではスタンプ福引き大会が、商工会の青年部では焼きそばやホットコーヒー、わた飴の販売、的当てなどが行われていました。
芝山町のおせんべい屋さん「力せんべい」さんの手作りおせんべいや、お漬け物店の「みのり物産」さんのブースもありました。
2015-11-08-162015-11-08-17
2015-11-08-182015-11-08-19

地元ならではのブースが連なる中、ひときわ目立っていたのが”奄美”の文字が大きく掲げられたブースでした。
なぜ芝山町に鹿児島県の奄美市なのでしょうか…?
その理由はLCC(格安航空会社)で成田と奄美が結ばれた事にありました。
現在、行政同士で交流事業が進められているのだそう。
奄美大島にはマングローブの原生林や、美しい海、水平線など、数多くの景勝地を有しているとの事なので、一度訪れてみたいですね。
2015-11-08-202015-11-08-21

芝山公園芝生広場に設置されたメインステージでは、今年の1月から芝山町の観光大使に就任したAKB48の永尾まりやさんのトークショーに沢山の方が駆けつけました。
給食のソフト麺のお話や、芝山町オリジナルソング「WISH」のミュージックビデオ撮影の裏話などを聞くことができました。
その後、地元の中高生で編成された”チームWISH”の皆さんが、芝山町オリジナルソング「WISH」の曲にのせてダンスを披露し、会場を盛り上げました。
2015-11-08-222015-11-08-23

芝山公園入り口付近では、現地でお米を炊いて杵でついたお餅の無料配布や、永尾まりやさんのサイン入りポスターの無料配布を求める方達で賑わっていました。
その他にも、芝山町白枡が発祥の地である「白枡粉屋踊り」でおなじみの「おさよ麺」や、「芝山の米」を使ったおにぎりなどが人気でした。
2015-11-08-242015-11-08-25
2015-11-08-262015-11-08-27

芝山公園から芝山仁王尊へ向かう道中では、地元産品卸売りや露天で賑わっていました。
お好み焼き、チョコバナナ、フライドポテト、たこ焼き、焼きそば、フランクフルト、から揚げ、あんず飴、大判焼きなどなど、、盛り沢山です。
芝山町朝市組合さんのブースでは地元で取れた新鮮で大ぶりな野菜が並んでいました。
キャベツとネギは早々に売り切れてしまったそうです。
2015-11-08-282015-11-08-29

手をつなぐ親の会のブースでは手作りの雑貨がたくさん販売されていました。
ドーナッツがついたクリップやフェミニンな柄のブックカバーなど、どれもこれも可愛く、そしてなにより優しい色で出来ていて、会の特性が伝わってくるようでした。
芝山町福祉協議会のブースでは自主作品販売が行われていました。
贈答用のバスタオルが2つ入って500円はお買い得です。
2015-11-08-302015-11-08-31

防衛省・自衛隊千葉協力本部のブースには、ゆるキャラの「千葉衛(まもる)」君が来ていました。
まもる君はあちこちのブースに自ら見学・体験をしてまわり、通りすがる人達を楽しませていました。
(芝山古墳・はにわ博物館にもご来館いただき、ありがとうございました!)

芝山公園駐車場ではミニSLが白い蒸気を巻き上げて走っていました。
芝山鉄道(株)さんの協賛により無料で乗れるとあって、毎年子ども達に大人気なイベントです。
シュッシュッと音を立てて車輪が動く様子は、子どもだけでなく大人の好奇心をもくすぐります。
2015-11-08-322015-11-08-33

山武警察署のブースでは、子ども用警官服の試着や、白バイと一緒に写真が撮れるイベントが行われていました。
途中、まもる君の乱入もあり、見る人の笑いを誘っていました。

芝山公園駐車場から芝山仁王尊に続く道中では、名物「はにわそば」の蕎麦打ちが実演されていました。
打ちたて・茹でたての蕎麦を食べられるとあって、ここにも大勢のお客さんが詰めかけていました。
2015-11-08-342015-11-08-35

他にも紹介しきれないブースがまだまだありますが、いずれもにぎわいを見せていました。
そしてまた、写真撮影に快く応じてくださった皆さんの笑顔が印象的でした。

さて、はにわ祭の最後のプログラム「昇天の儀」は、雨天のため芝山文化センターにて行われました。
芝山町を一日見届けた古代人の方々が、お祭りの終了とともに天上へ帰る時です。
はたして今年の芝山町の姿は、古代人たちの目にどのように映ったのでしょうか、、?
2015-11-08-36

芝山町オリジナルソング「WISH」にこんな歌詞がありました。
♪ 歩き出した町はいま この希望に満ちあふれて
♪ 未来は輝いているよ

芝山町は今まさに、明るい未来へ向けて、歩き出した町。
古代人が現代人に知恵と心の豊かさを託したように、現代人は未来へ希望と夢をもって進んでいきます。
古代と現代をつなぐ「はにわ祭」に今後もご期待下さい。

Comments are closed.